兵庫県立尼崎総合医療センター
参加型壁画制作プロジェクト
「いのちおどる樹」
企画の背景と目的
同センターの手術室から産科病棟へと続く白く長い廊下には、元々、看護師さんの手によって貼られた一本の「シールの木」がありました。無機質な空間に温もりを灯そうとしたその姿勢に、私たちは医療者の皆さんの患者さんに対する切実な思いを感じ取りました。
本企画は、医療従事者の皆さんの「心のケア」に着目した研究(田口奈緒医師ら研究グループ 研究(JSPS科研費 JP12345678の助成を受けたものです))に基づきスタートしました。シールの木に込められた思いを引き継ぎ、形にするため 、スタッフ自らが病棟の壁面に直接描く「参加型の壁画制作」というプロセスを大切にしました。日々ケアにあたる一人ひとりに表現者として参加してもらうこと、それこそがこの企画の一番の願いです。
制作のプロセス
原画の考案と制作指導は画家の髙濱浩子さん。髙濱さんは2018年より田口医師が進める「トラウマインフォームドケアプログラム」に関わり、長年、産科病棟で患者さんに寄り添ってこられました。その豊かな経験に基づき、参加者が安心して表現できるよう、対話を深めながら、共に作品を創り上げてくださいました。
多様な主体による共創
「いろをかさねて、ひかりでみたす」と題したワークショップには、職種の枠を越えて多くの方が集いました。制作にあたった8日間で、医師や看護師をはじめ、事務職員、施設管理スタッフ、そして療養中の患者さんとそのご家族まで、参加者は延べ約450名にのぼります。
白い壁が、一人ひとりの手によって少しずつ色づいていく過程は、まさに病棟全体で思いを分かち合う時間となりました。さまざまな立場の方の祈りが柔らかな色の層となって重なり、光となって満ちていく。この場所でしか生まれえない、あたたかな空間が描き出されました。

ディレクター
森合音
画家
髙濱浩子
制作協力
兵庫県立尼崎総合医療病院関係者、
患者さま・ご家族さま














