四国こどもとおとなの医療センター 地下通路
「青い花に・・・」
「病院でアートにできることって何だろう」という問いを持ち続けてきました。
今回の「青い花に・・・」(霊安室から地下通路の壁画制作)はその一つの解になったと思っています。
まず、このプロジェクトは看護師さんの切実な声からスタートしました。
「お見送りの場所を、もっと心の込もった空間にしたい・・・」
画家、島田玲子さんの描く命のつながりを表現した数珠つなぎ、命の循環を表現したリース・・・ その周りに,宇宙空間に浮かぶ星の様にちりばめられた青い花たちは、177名の職員の手で、一人ひとつずつ鎮魂の祈りを込めて描かれました。
最先端の医療技術と、医師の経験の全てを注ぎ込み、万策を尽くしても届かないことがあります。
死は人が避けては通れないものです。
でも、「命は循環する。死はおわりではない。」
島田玲子さんの壁画は静かに優しく、強くそのメッセージを伝え続けてくれています。
祈りとともに浮かび上がる色・かたち。古来より芸術家たちは言葉にできない想いを様々な手法で伝えようとしてきました。
言葉をなくして立ち尽くすときはじめてアートに出来る事が見え始めます。
そこにアートの居場所があります。
その場所に在って、そっと包み込んでくれるもの。
決して色あせる事のない想いを静かに伝え続けてゆくものとして。
医療スタッフの言葉にできない祈りを青い花にかえて・・・
デイレクター
森合音
壁画監修
画家 島田玲子